山田裕貴さんの髭大好きなので最初はそれ目当てで観たけど、山田さんのお芝居にめちゃくちゃ引き込まれた。
山田さんの好きな役上位に躍り出た!

やっぱりやまゆくんのお芝居が好き!って再確認
宮本武蔵(完全版)の評価
宮本武蔵(完全版)のあらすじ
伝説の剣豪として世に名を知らしめるも、その内面は臆病な男、宮本武蔵。
色々と疲れの溜まった武蔵は、湯治のため山奥の宿を訪れる。そこには様々な面々と出会うこととなる。
私たちが考える理想の武蔵像からかけ離れた主人公、宮本武蔵は皆から偽物ではないかと疑われる。
証明のしようもないが、本物と認められたら命を狙われる、しかし偽物と思われても面白くない。
疑心暗鬼の中で、武蔵に恨みをもつ者、討ち取って名を上げたい者、さまざまな思惑が重なって、物語は思いもよらない方向へ。
最後までヒーローらしさも小次郎との決闘もなく、そのだらしなさが笑いを誘う現代会話劇。
“本当の宮本武蔵は、こんなんだったのではないか!?”
引用元:https://musashi-stage.themedia.jp/pages/400169/about
宮本武蔵(完全版)の見どころ
独断と偏見の山田裕貴ファン的山田裕貴の見どころです。
- いろんな感情表現が楽しめる山田さんのお芝居
- 伊織どんに好かれる武蔵どん(笑)
- 無精髭の山田裕貴さん
- 横顔美しい
山田さんの中でも好きな役かも
感想を咀嚼するのに時間がかかるんだけど、とにかく観終わったあと山田さんが演じる宮本武蔵の寂しさ、人間臭さみたいなものへの、なんと表現していいかわからない感情が沸き起こった
無精髭とか見た目が好みなのはもちろんあるんだけど、それ以上に山田さんの感情を揺さぶるお芝居に胸が苦しくて、だけどまた観たくなって
2日間で3回観てしまったほど自分に刺さるものがあった
しかも何回か観るうちに武蔵の異常性?異質っぽさ?がどんどん浮き彫りになってきて…
1回目に観て笑えた部分でだんだん笑えなくなってくる
山田さんは役を生きるタイプなので、自身に近い部分があったり理解できる部分があるとハマるというか
この宮本武蔵はそうだったんじゃないかなと
もちろん技術的な面で難しさはあったと思うけど
音楽劇「海王星」では猛夫の気持ちが理解できなくてすごく悩んでいたので、それに比べると憑依しやすかったのかなって感じた
ハマった役の人物が苦しんでいたりすると観ているこちらもすごく苦しくて
ツルに拒絶されたときの表情とか苦しすぎて
山田さんの感情、特に好きな人への感情みたいなものを感じるときのお芝居、表情が好きなのかも
胸が締め付けられる
ツルに会いに行って「ごめんね」って言われて、堪えるような絞り出したような「…うん」って声と表情とかさ…
そのあとツルが狸吉と居るところで再会したとき、ツルのことじっと見てる表情とか心がギュってなる
伊織に茶化されて「一生好きだよ!ツルのこと!」って言うとことかさ…胸が苦しい
ああいう表情の山田さん好きっていうか目が離せないっていうか
一方で、ゆっくり試合の斬られるとこは可愛すぎてさw
かと思ったら、無邪気に「どっちの石がいい?」って聞いておいてその石でサクッと殺しちゃうとか…
冒頭の決闘シーンでの強い目力から、脱力系?人間っぽい宮本武蔵になったときのギャップもすごい
最後ツルに拒絶されて刀を抜いた瞬間からの豹変ぶりとかね
ラストの「…どこに」の“無”というか“虚無”な感じとかね
人斬りの顔になったり人間臭くて情けない感じになったり、感情や表情がぐわんぐわん変化するのがすごい面白かった
山田さんのお芝居が大好きなので、ひとつの舞台中にいろんな山田さんの感情表現を観ることができてこの上ない私得舞台だった
その上見た目がドンピシャなのでもうね
音楽劇「海王星」でも感じたけど舞台終わって捌けるとき、魂抜けたようなふわふわした感じなのは相変わらずなのね
宮本武蔵(完全版)の感想
教科書に載るような偉人ってどこか美化されている部分があると思うけど、どんな偉人にも人間臭い部分があるだろうなぁと思わせてくれる
宮本武蔵ってコミュ障?サイコパス?なの?だけどいちばんピュアみたいな
宮本武蔵だ!すごい!って思われたいけど、知られると命を狙われるし、だけど愛されたい?友達欲しいみたいな?
ちょっと観てて可哀想ってか辛いってかそんな気持ちになってきた…
中でも小次郎の浴衣めくりシーンが印象的だけど、なんで嫌がっているか、みんなに非難されるかを全く理解していない
むしろ自分は悪くないとさえ思っている
最終的に亀一郎の父が武蔵に斬り殺された事実を知って、「なんで今言うの?」って武蔵はなるんだけど…
なんか勢いあまって今言わない方がいいことを言っちゃうのって人間あるあるだよなぁと
そんなあるあるが積み重なっていっていろんな歯車が狂い出して、最初は単純に笑えたけどだんだん乾いた笑いになっていくっていうか
武蔵は亀一郎の「武蔵と会わなかったことにしよう」っていう会話を聞いていたのに、卑怯な手で殺してしまう
二幕冒頭で、亀一郎を殺したことで悪夢にうなされちゃうくらい精神的にきている武蔵
武蔵だってなんの罪悪感もなく殺しまくっているわけではないんだ
小次郎にスーッとするやつあげてから刀で刺す一連の流れに伊織が驚いていなかった!
毎回こうだからいつものことって感じなの?
千代を殺したあと、伊織は武蔵に「あとで精神的にくるんだから」って言ってて…
武蔵が毎回悪夢にうなされてることを知ってて見守ってるんだね
笑えるBL展開に惑わされてたけど、伊織は武蔵の心の支えじゃんか
武蔵のこと異質だとか異常だとか書いてるけど、それは「宮本武蔵」をやらないといけないからこうなってしまった部分もあるのかなって
狸吉(ニセ武蔵)も「宮本武蔵やるのしんどい」って言ってたしね
伊織どんは「山にこもっているときは穏やかだった」って言ってたしね
ツルに対する好意も、最初は一途なんだねと思って観ていたけど、最後にあれだけ拒絶されても「宿屋のこと詳しいから」って一緒に宿経営する未来を一方的に夢見てて、話が通じなすぎて怖い
武蔵の「狸吉どんが死んだらその亡骸を引き取らせてもらいたい」って…どういう意味?
ツルに狸吉の遺骨を持って行って死んだ報告したら、狸吉いなくなったら、自分を見てもらえると思ったのかな?
ついにはツルに「2度と顔を見せないで」って言われて「顔以外ならいい?」の笑みにゾッとした
観客の笑い声入ってるけど全然笑えなくて
冗談で言っているわけではないんだよね、武蔵は。本気なの
でもそれも「宮本武蔵」でいなきゃいけないからこうなってしまったのかなって
そして伊織が自分の命をかけて武蔵のツルへの殺意を止めてくれたんだよね
だって他の人を殺して毎回悪夢にうなされてるくらいなのに、「一生好きなツル」を殺したら悪夢どころじゃないよね…
武蔵がずっと探し求めていた愛をくれたのは伊織だったのかなって
武蔵は気づいているのかな…
私は最後武蔵は斬ってないと思ってる。そうであってほしい
そして山にこもって2人で仲良く暮らしててほしい
やっぱり俳優 山田裕貴が好き!
脚本・演出の前田司郎さんはアンチイケメン俳優だったらしく(笑)
山田さんに対しても「どうせイケメン芝居をするんだろう」と
だけどそれを覆してくれたようです
そういう人を唸らせて、舞台の主役に選んでもらえるほどの俳優ってやっぱりすごいと思う
山田さん自身も「イケメン反抗期」があったくらい、顔で判断されることをすごく嫌がっていた時期があるもんね
もちろんそれはすごい武器になるんだけど、やっぱりどこか顔かいいから観るみたいな部分はあるしね
私もやっぱり顔がいい山田さんを好きな部分もあるけど、でも最近はお芝居でドキドキさせられる部分に惹かれることが多くなったように思う
「あゝ、荒野」のためにボクシングジムに通いながらの舞台だったんですね
たしかに顔がシュッとしててイケメンに拍車がかかっているなぁとは思った
あ、結局顔を観ている私(笑)
でも顔がいいのも大事だよ
横顔が美しい
剣構えてる横顔がよく映るけど、鼻高くてほんと美しいなぁって

山田さんの横顔好きなあなたにおすすめ!
無精髭の山田裕貴さんとキャストの皆さん
山田さんの髭大好きな私としては、無精髭の見た目がめちゃ好みすぎていろいろとしんどい
髪型も無造作ヘアで好き
和服が似合うからほんと私得な舞台だった
生で観てみたかったなぁ
第24回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞したそうです!
インタビュー記事
舞台『宮本武蔵(完全版)』では、『え、いや、あの…』という反応のせりふから『いやいやいやいや』の『いや』の回数まで、全て細かく台本に書かれていたので、それをどれだけリアルなところまで持っていけるかというのは難しいところでしたし、それが面白いところでもありました
https://hominis.media/category/actor/post5975/
いい意味でグダグダした日常会話から始まって、気づいたら怒涛の展開になっているっていうのが面白いなって思ったけど、こういう一見アドリブっぽく聞こえるセリフも全て台本に書かれていたんですね。
イケメン反抗期について詳しく語られています↑
コメント・対談動画
宮本武蔵(完全版)公式サイト
DVDは廃盤のようでとんでもない値段になっているけど、ニコニコ動画の「チャンネルD-BOYS」に入会すれば観られるのでぜひ!
DVDもしくはBlu-ray再販してくれないかな〜。お待ちしております!