山田裕貴さん演じる刈谷のビジュアルから期待していたけど、その期待を軽く飛び越えてくる衝撃があり(色んな意味で)早くもまた観たいと思っている。
観る人に感じてもらうタイプの映画だと思ったので「これが正解!」というのはないのかもしれない。
なのでネタバレ見ないで自分の最初の感情・感想を大切にするのおすすめです。

とにかく刈谷が最高すぎる!!!
ハザードランプの評価
ハザードランプのあらすじ
とある事件をきっかけに、地方都市で代行ドライバーとして働く須貝。
ある満月の夜にやってきた新人ドライバー刈谷とタッグを組むことに。
「——満月の夜には何かが起こる。実際に、女子中学生が誘拐されたのも、満月の夜だった!」そんな同僚の言葉を背に仕事に向かう二人だったが、勤務中の刈谷に須貝は不安を覚えていた。
そんな中、謎の人物・ズーコから呼び出された須貝は、恋人の美乃梨を失った3年前の事件について尋ねられる。
初対面だと思っていた刈谷はいったい何者なのか…!? 様々な酔客の相手をするうちに、思いもよらずふたりの過去が交錯していき——。
立ち止まった人生の先に見えたものは? 交差する人間ドラマは、濃く、深く、そして時に滑稽で…地方都市の夜に浮き彫りになる男たちの物語。
ハザードランプの見どころ
独断と偏見の山田裕貴ファン的山田裕貴の見どころです。
- 安藤忠臣、村山良樹みのある山田ファンが見たい山田さん全部盛り刈谷臨
- 基本治安悪いけどたまに見せるお茶目刈谷のギャップ
- 安田さんとのお芝居のセッション(警察署廊下での涙シーン、崖の殴り合いシーン、ラストシーン)
- 山田さんの台本にないアドリブにまたしてもやられる
ハザードランプの感想
その前に…
あまり耳が良くないのと試写はホールだったので、訛りで喋る客のセリフや安田さんの(役のせいもあると思うけど)ボソボソと喋るときのセリフが聞き取りづらかった。
映画館だと少しは聞こえやすいのかな?
なのでセリフの聞き間違いなどあるかもしれません。予めご了承ください。
物語が進むにつれ徐々に登場人物の人となりがわかってくるところ、解釈は人によりけりなところがすごい面白いと思った。
代行ドライバーの2人の男がさまざまな乗客と関わるうちに、2人の過去が明らかになっていき、次第に心が通い合う。
刈谷は見た目も言動もだしナイフ持ってるしで、最初はとんでもない奴が現れたと思わせられたけど、物語が進んでいくうちに優しさ、寂しさ、人間らしさを感じた。
一方で須貝は大人しくてまともそうな男だけど、心に深い傷を隠していてずっと燻っていて、最後に抑えきれなくなってしまったのかな…という気持ちになった。
この辺の感じ方は人それぞれだし、観た人それぞれの解釈ができるところも面白い。
観るたびに感じ方や解釈に変化が起きそうでもある。
監督はyamadaaaなの?って思うくらいファンが見たい山田さん詰め合わせ具合はビジュアル、言動ともにあって「すごい!!!」と思いながら観ていた。(※yamadaaaとは山田さんファンのこと)
予告やフライヤーからも、金髪バチイケで危険な香り漂う山田さんの姿は重々承知していたわけだけど、作中の刈谷はその予想を軽く超えてきます。
基本治安悪くて態度も口も悪いけど、たまに見せるスキップなんかのお茶目なギャップに全yamadaaa死亡間違いなし。
見た目だけじゃなく、内容把握したりお芝居の細かな点を感じたいのに、ぶっ込み刈谷に脳を持っていかれる。
山田さんの魅力やファンが望んでいる山田さんをこれでもかというほど詰め込んできて、ありがたいと思いつつ「なんでこんなにファンの気持ちがわかるの?すごい!監督yamadaaa?」という驚きがあった。
監督の趣味と山田ファンの趣味が一致したのか、キャラ設定が偶然一致したのか、山田さんのキャラ作りが最高なのか、全部なのか。謎は深まる。
刈谷ってナイフ持ってるし、喧嘩っ早いし、ヤクザ殴って?前科持ち?だし、なぞなぞ出しながら急ブレーキ踏むし、とんでもない奴かもしれないけど、人の痛みがわかってる奴なのかなって。
それは彼の過去の経験から来ているのかな。
ハンマー女にナイフを手渡す、子供への優しさ、誘拐された少女への対応(おい!って何度も声かけて自分の上着をかけてやってた)
どれも人の心がないとできないこと。
ナイフ渡したときの表情だか声だかにドキッとしたんだよね。
「わー!かっこいい!」じゃなくて刈谷の優しさを感じたドキっていうか。もう一度観て確認したい。
せっかく須貝が女からハンマー奪ったのに「こいつナイフ渡した…!」って一瞬思ったけど、彼女の立場に立った行動だったのかなって。(ただのかまってちゃんだから本当に刺さないからとは言ってたけど)
面白半分で渡したわけじゃないんじゃないかなって。
立場の弱い者、可哀想な人への思いやりが人一倍あるのかなって。
元カノ?もヤクザから守ってあげたわけだしね。
ここでハンマー女の飛び降り自殺を止めるのは、過去の須貝の恋人・美乃梨の自殺を止められなかったことへの戒め?須貝を試してる?
そうなるとわかっててナイフ渡したの?
前科ある?っぽいこと言ってたけど、それもやむを得ない状況からそうなったのかなって。
代行ドライバーはそういう曰く付きの人間が集まるみたいなセリフあったよね?
だから社長はみんなの過去を詮索しないのかなって。
ハンマー女の阿部純子さんは、本作前に上映された「虹が開く」とは別人かのようなお芝居がすごかった。
だいぶうろ覚えの刈谷なぞなぞ。もう一個あった気がする。
- ずっとついてくるけど夜に消えるものは?答え:影
- ある女の人がマンションで火事にあったけど無事だった。なぜ?答え:違う階だったから
- いたずらっ子を釣り上げるのはどんな木?答え:急ブレーキ
マンションで火事なぞなぞは、須貝の反応的にも美乃梨のことなんだろうなっていうのは察した。
中村中さん演じる謎の女・ズーコは刈谷の元カノ?なの?
ド派手なメイクとファッションで現れて、刈谷が須貝の命を狙っているから忠告しにきたみたいな。
OK代行事務所前で刈谷とズーコが対面したとき「お前誰?知らない」みたいな反応だったから、最初は無関係なのかと思っていた。(めんどくさい女に付き纏われているみたいな)
でもズーコをヤクザから助けてあげたのが刈谷だよね?
そしてズーコが刈谷の座る車の窓ガラスにキスマークをつけるんだけど、それを長い間じっと見つめていた刈谷の表情がすごい気になってて。
このシーンの刈谷の目が個人的にすごい印象的だった。
刈谷とズーコってなんかある?って感じた。
終盤の病院シーンのとき、すっぴんでやって来たズーコと刈谷を2人きりにしてあげた須貝。
2人で話しろやみたいな感じに見えたんだよね。
あの刈谷のド派手な赤パンツはこの彼女あってのファッションだったのかな。
中村さんのインタビューの中に
私も取り返したいものがある人間を演じました。
https://hazard-lamp.com/
という一文があって。
刈谷がズーコのこと知らないふりしたのって、須貝に近づく計画を邪魔されたくなかったから?巻き込みたくなかったから?
ズーコは刈谷を犯罪者にしたくなかった?
取り返したいものは刈谷だったのかな。
刈谷は決闘でしかケリをつけられない人生だったのかな?
刈谷の半生を思うと悲しい。
子供とのシーンが個人的にいちばんグッときました。
自分自身の生い立ちから子供に感情移入よね。子供守る刈谷くん( ; ; )
子供に対する父親?彼氏?の酷い扱いに我慢ならなくなった刈谷の叫びと殴り最高だった。
「テメェらみたいな奴がいちばん許せねぇんだよ!」的な。
刈谷の心の叫びを聞いた気がした。
ここの激昂ぶりは刈谷の過去を感じざるを得ない。
なので、警察の事情聴取で「猫が飛び出してきて」っていう嘘に子供がのってくれたシーンは込み上げるものがあった。
最初は「刈谷とんでもねぇ奴なのかな」って思ってたけど「あ、誤解だったな」って思わされた出来事でした。
えんやさん(遠藤雄弥)のDQN彼氏ぶりすごくよかった。
ラストは途中でなんかそうなるのかなって予感はした。
この方法だとは予想しなかったけど、須貝は美乃梨の元へ行きたいのかなって。
部屋で1人泣くシーン、音がないのに須貝の秘めていた思いが伝わってきて…
それを感じ取っていた刈谷が手助けしてくれたのかなって。
「送って行きますよ」
タバコとライターは思い出。
須貝がタバコに火をつけようとするけどつかないシーンが何回かあったし、車内でタバコ吸おうとするたびに嫌がらせのように窓を開ける刈谷の行動。(刈谷は喫煙者)
ラストの場所へ向かう前、火がつかない須貝に刈谷が火を貸してくれた意味。
妙に清々しい顔をしていた須貝。
朝日が眩しくて綺麗な景色を背景に急発進する車と反対方向へ歩く刈谷。
いきなり起こった出来事に衝撃を受けて、エンドロール中、心臓がバクバクしていた。
「日本映画navi vol.98」のハザードランプ記事を読んで衝撃を受けている。
また山田さんの自然に出てきたお芝居にやられたわ…
刈谷が須貝に火(ジッポ)を貸すところ、山田さんによる台本にないアドリブだったようです。
雑誌を読む前に書いた文(↑追記前参照)でも触れてるけど、あのシーンすごく印象的で刈谷のそれまでの行動と相反するなって。なんでかなって。そういうことかなって思ってた部分で…
あのシーンがあったから刈谷の気持ちがわかったし、ラストの解釈が固まったところもあったので。
鳥肌っていうかビックリしすぎて暫く次の文章に進めなかった。
ラストは観た人に委ねるという解説だったけど、2人の対談を読むとやっぱり須貝は死を選んだのかなと思う。
というか山田さんと安田さんはそういうふうに受け取ったのかなと。
治安悪いのとスキップみたいな可愛いが混同してて山田ファンには堪らない刈谷臨です。
刈谷臨の好きなとこ
- 基本口悪くて治安悪いのにスキップするとこ
- へしこチップスで須貝がつれなくてゴミ箱ダンクするとこ
- トイレから出た社長が手洗ったか気にするとこ
- 喫煙者のくせに須貝が吸おうとするたび窓開けるとこ
- なぞなぞ出しながら急ブレーキ踏むとこ
- 窓のキスマークじっと見つめるとこ
- ナイフ扱い慣れてるとこ(りんご)
- ナイフ扱い慣れてるとこ(ステーキ)
- しょーもないカップルを心底しょーもな顔で見てるとこ
- ハンマー女にナイフ手渡すとこ
- 野次馬ドアバンするとこ
- 子供を邪険にする彼氏?にブチギレるとこ
- 少女に上着かけてあげるとこ
- 口笛うまいとこ(あれ本物?ですよね?アテレコとか?)
全部なのでは!?という感じだけど、刈谷のやることなすことよすぎて山田ファン死んじゃう。
刈谷ナイフのりんごシーンはゾクっとしたけどすごい好きなシーンだった↓
いつの間に半分に割った?ってくらい鮮やかにカットしてて…「なんじゃコイツ」感が高まる。
どこだか忘れたけど一瞬村山良樹が憑依した瞬間あったよね?手でコイコイするとこ。
煽り運転野郎が誘拐犯だとわかったときの「それならガツンとやってやればよかったな!」みたいに言ってるとこ「やべぇ…好き」ってなったw
見た目…最高
キャラ設定…最高
山田さんのキャラ作り…最高
=つまり最高な刈谷の出来上がり
刈谷キャラの緩急の付け方が最高だなって思った。
基本的な言動はなんかヤバいやつ感ありありなのに、ふとした時に現れる刈谷の優しさみたいな部分ね。
はいはい、また出ましたよ〜「日本映画navi vol.98」インタビュー
刈谷を演じる上で感覚に任せたお芝居をしたという山田さん。
感覚で、その場で生まれた自分でも予想していなかった反応でやる方が、刈谷というキャラクターに一番近づける
(中略)
その方が観ている人も「何なんだ?コイツ」ってなるのかなって思って
日本映画navi vol.98
という一文があるんだけど、まさに序盤の刈谷を観た私「なんじゃコイツ」って思ったんですよ。(↑追記前参照)
山田さんの策略にまんまとハマったわけですよ。
あの不気味で何者かわからない刈谷像を出せたのは、山田さんの刈谷像の解釈とそれを最大限に引き出すためのお芝居の賜物と言いますか。
うーん、なんかほんとすごいなって思った。
刈谷は満月の夜に現れて満月の夜に消えたの?
刈谷の髪色は金髪だと思っていたけど作中では銀髪のようにも見えた。
あの髪色である理由もあるのかな〜
満月の夜には、何かが起こる。
金でも銀でもない白金髪のような刈谷の髪色。
月ってそんな色だよね。
透ける髪色がすごくキレイで印象的だった。
満月の夜にふわっと現れて、またふわっとどこかへ消えてしまいそうな。
若狭の景色がとても良かった。
須貝さんが歩いてる道路のすぐそばまでザッパーンと迫る波だったり、ラストの陽の光とか。
日本海側の少し寂しさを感じる海と2人の寂しさを抱えた過去がリンクするかのような。
そしてコロナ禍でロケ地として協力してくださった、若狭のみなさまに改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
運転できないけどロケ地巡りしたい。
気になる点
日本映画navi vol.98によると、須貝と美乃梨の体が交わるシーンもあったがカットされたらしい
今となってはなんか意味深に聞こえてくるというか…
映画撮影についてあまり詳しくないですが、きっとそういうシーンを撮ったけど最終的に編集で要らないな、ないほうがいいなという判断でカットされたということですよね
そういうこと(編集でカット)はよくあることだと思われるしそれ自体は問題ないけど、監督の問題が明らかになってから読むとちょっと…と思ってしまったのも事実です
改めて山田のぼやき2022/01/01を聴いて(13:15〜ハザードランプについて)
※ファンクラブ内の有料コンテンツなのでニュアンスです↓
人間が交わるシーンがない方が素敵だなと思っていたら本当にないまま
この映画を作った人たちはそこをわかっているという共感
これって須貝と美乃梨の交わるシーンのことかな?
そうだとしたらなんかすごい納得だなと
あの映画にはそういうシーンがなくても伝わるものがあったし、むしろなくてよかった
なんか監督のせいでこういう結果になってしまってモヤモヤするというかなんというか…
山田さんってやっぱりそういうところの感覚が素敵だなって思います、本当に
J Movie Magazine Vol.80の安田さんのインタビュー立ち読みした(立ち読みだから内容はニュアンス)
誘拐された少女を発見した時の怯えた顔、様子?にすごくこだわって撮っていたという文があって…
監督問題発覚後に読むとなんか、なんか…
ちょっと嫌な気持ちになるというか
だってつまりあの少女は暴行受けた後ということになるよね?
なんかそこにこだわる理由あるのかな?みたいな
例えば主演の2人、須貝と刈谷のやり合うシーンや表情にこだわるならわかるんだけど
今後何らかの形で観ることができる日は来るんだろうか
来たとしても上記の点でモヤるというか、上記の点でガチめにお蔵入りしそうだなって思ったり思わなかったり…
インタビュー記事
届き次第載せます。
ハザードランプ公式サイト
公式サイトのキャストコメントを読むとなるほどな〜と思える部分があります。
YouTube動画
13:25くらいから
ヤスケンさんとのお芝居のセッションが楽しくて
毎回台本を超えるような瞬間がその場で生まれて
今まで計算してやってたけどあえてそれをしなかった
山田さんの役を生きる中で自然と出てきたお芝居(アドリブ、アレンジ)にドキドキしたりゾワっとしたりすることが多くて、そこがすごく好きなのです。
山田さんも初めて計算せず挑んだという、ヤスケンさんとのお芝居のセッションがとても楽しみでもあり、見どころかと思います。
ロケ地掲載雑誌
ロケ地マップが福井県のアンテナショップなどに置いてあるようです。(各自お問い合わせください)
ロケーションジャパン2022年2月号にも掲載されています。
へしこ風味ポテトチップス
作中で刈谷が食べているへしこチップスがAmazonで売ってた!
刈谷が食べているのは美術さん特注非売品のどでかいサイズです。(このシーンめちゃ可愛かった!)
山田さんファンとしてこれはすごく食べたいものだと思うので、送料かかるけどぜひ味わってみてください。
試写会ではありがたいことにいただくことができました。
魚粉のような香りがして病みつき美味しいです!
試写会のお土産
嬉しいことに試写会ではこんなにたくさんのお土産をいただきました。

ラストシーンの陽の光がキレイだった山頂公園の駐車場と、刈谷が須貝を乗せて行った松原海水浴場が個人的に行ってみたい場所でした。

車運転できないけど観光したい!!!
ハザードランプロケ地巡りツアーとかあったら絶対申し込むんだけどな。