「闇金ドッグス」の安藤忠臣が生まれた「ガチバンULTRA MAX」。
「闇金ドッグス」が、安藤忠臣が好きなら絶対観ておいた方がいい作品です。

おめめきゅるきゅる時代の忠臣くん!
ガチバンULTRA MAXの評価
ガチバンULTRA MAXのあらすじ
勇人(窪田正孝)は場末のスナックで用心棒として働いていた。
そのスナックに、大山彦組の組長が遊びに来て、勇人をえらく気に入る。
面白くないのが、その構成員の安藤(山田裕貴)。
安藤と勇人は顔を合わすたびに、いがみ合うようになっていた。
そんな中、先輩の義男(鈴之助)が偽装募金活動をしており、そこにザビエル女学院中学生に通う星良(永野芽郁)が現れて、勇人との距離を縮めて行くのであった。
そこで悲劇が起こってしまう。
引用元:Amazonプライム・ビデオ
ガチバンULTRA MAXの見どころ
独断と偏見の山田裕貴ファン的山田裕貴の見どころです。
- おぼこい18歳忠臣くん
- バカっぽい忠臣くん
- バチボコに喧嘩する忠臣くん
- 兄貴を撃つ忠臣くんの涙
ガチバンULTRA MAXの感想
ガチバンシリーズはヤンキーアクション映画らしく、喧嘩シーンなどが多いです。
あまりそういう内容は得意な方ではないですが、忠臣の過去を知るには観ておいた方がいい作品。
いや、むしろ観て良かったと思う作品でした。
ガチバンを観てから「闇金ドッグス9」を観ると感慨深いものがある。
個人的には先に「ガチバンULTRA MAX」「ガチバンNEW GENERATION2」を観てから「闇金ドッグス」に行った方がいいと思う。
チョコレートを食べたらニキビができそうな、おぼこい18歳の忠臣くんがかわいすぎる。
「闇金ドッグス」から入った人は、「同じ人?」「何があった?」ってなりそうな忠臣くんです(笑)
兄貴(西口)に「何か景気のいい話ないのかよ?」って言われたときのキョトン顔がかわいすぎる。
西口の言葉を、小さなメモ帳に鉛筆のクソデカ文字でメモるバカっぽい忠臣くん…

忠臣の母親がヤクザ事務所に履歴書を持って来た件で、忠臣が「アイツ死ねばいいんですよ」と言うと、西口から「親は親な。死ねとか言っちゃダメな」と、強烈な一撃をくらいます。
西口に「男の価値は腕時計で決まる」と言われると、パチモンではあるが素直にすぐ着けて来る忠臣。
メモを取る様子を見る目もそうですが、西口は本当の親に見放された忠臣を、我が子のようにかわいがっていたように思う。
忠臣と勇人がひょんなことで喧嘩になり、組長が勇人の喧嘩っぷりを見て気に入る。
ある日、西口が組で御法度の薬に手を出していることが組長の耳に入り、組長は忠臣に西口の始末をするよう命ずる。
しかし、あれだけかわいがってもらい、慕っていた兄貴を撃つなんて…とすぐには決断できません。
忠臣が迷っていると、組長に「そういやお前、名前、なに君だっけかな?」と言われてしまう。
くくく組長さん、それは禁句です。
親の愛情に飢えていた忠臣のハートをズタズタにするには充分すぎる言葉だった。
ここの表情、忠臣の過去とかいろいろ想像すると本当にかわいそうで泣けます。
そこへ、白血病の星良(永野芽郁)の「オーロラを見たい」という夢を叶えてやりたい勇人が、「金が欲しいんです」とやってくる。
勇人は星良のために必死なので迷うことなくチャカを手にして走り出す。
「兄貴に鉛撃ち込むのはテメェじゃねぇ」と勇人を追いかけて来た忠臣。
バチボコの殴り合いの喧嘩が始まる。
死闘の末、最後にチャカを握ったのは忠臣だった。
「目ぇキラキラした男が釣り合いする世界じゃねぇんだよ」
白血病の星良を救いたいというような、そんなキラキラした堅気のいる世界じゃないんだよってことですよね。
お前はこっちくんなというメッセージでもあったのかな。
「兄貴…」と言い西口に銃口を向ける忠臣。
すべてを悟った西口は抵抗することもなく、「これお前にやるよ」と腕時計を外した。
「なぁ、兄貴…」と、引き金を引き一筋の涙を流す忠臣。
元木隆史監督へのインタビュー
『ULTRA MAX』の最後、(忠臣が)山口祥行さん演じる兄貴を殺すカットでは、彼は現場を掌握してしまったんです。現場の全員が固唾をのんで、若い俳優が引き金を引くのを見ていた。手練れの、プロのスタッフが集まっていて、「どうせ若い俳優が拳銃を撃つんでしょ?」という雰囲気をガラリと一変させて、みんなが「すごいイイね!」と掴まれました。これが現場的には非常に嬉しい。この時の彼には、「作品の中に何か残してくれた」という感謝がありましたね。
https://spice.eplus.jp/articles/92433
このシーンの衝撃があったから、「闇金ドッグス」として安藤忠臣の物語が始まることに繋がったのではないだろうか。
そのくらいの迫力と衝撃があった。
この件があったのを知ってから観る「闇金ドッグス9」は、最高に胸にくるものがあるのでおすすめです。
忠臣の表情とかさ、ああ、この件があったからあの表情なのね…と。
「他の野郎にオヤジのタマ取られるくらいなら、この手でオヤジを葬ってやりたい」
これは「闇金ドッグス9」の登場人物・まもるの言葉ですが、まんま忠臣の心情を表しているわけです。
ヤクザの構成員とはいえ、まだ18歳の忠臣にはあまりにも辛すぎる選択だった。
他の俳優さん達がどこまでやっているのかは知らないけど、山田裕貴さんの役を生きる姿勢が本当に好きです。
だからこそ心を揺さぶられることが多い。
そのまま忠臣に乗っけられるな、と。すべてがそうじゃないんですけど、使っていい自分の感情は自分の役に乗っけちゃえば、色んなものが出てくるので。あの時は、それがすごくマッチしていたんです。すごくリスペクトしているけど、負けたくない。「窪田さんを今ひっくり返せるのは、誰だ? 俺がやってやる」みたいな気持ちで臨んでいた部分はあります。
https://spice.eplus.jp/articles/92024
山田裕貴さん自身が俳優として「窪田正孝さんに負けたくない」という気持ちを、忠臣が勇人に対抗心を燃やす気持ちに当てはめて演じた。
バックボーンがあるので忠臣の気持ちがわかるんです。「ああ、ここでこう言いたくなるわ」とか。もう思うがまま、忠臣のままここにいればいい。それが「役を生きる」。ここでああしよう、こうしよう、じゃなく、一回やってみる。やってみて、違和感があれば、観ているほうにも違和感があると思うので。中には違和感があるけどいわなきゃいけない台詞もあるとは思うんですけど、忠臣に関してはそれを全く感じない。影響を与えるのが多かろうが少なかろうが、どの役でもとにかく嘘なく、リアルに浸透してほしいんです。だから、台本を読むときは、「何を思っているんだろう」ということを考えて、現場に入ってやってみることから始まります。決めつけていくことは全くなくて、現場に入ってあるもの……部屋の明るさだったり、いる場所の雰囲気だったりで気持ちも変わってくる。独りで電話でしゃべっているのか、司が近くにいるのか、会話を聞かれたいのか、聞かれたくないのか。そういう色んな要素は、現場にいかないと想像しきれない部分があります。ただ、『ULTRA MAX』から考えると、(忠臣には)僕が思っていることも反映されてきています。どの役もそうですけど、忠臣はより僕の中にも浸透しているし、忠臣にも僕が浸透しているのかな、と。
https://spice.eplus.jp/articles/92024
お芝居の生のセッションというか、ここまで繊細に感じて出て来たものを表現するからこそのリアリティというか。
山田裕貴さんのお芝居に惹かれるのはそこかなと思う。
こういう表現って明るく楽しいキャラクターより、安藤忠臣のような業を背負った人間の方が観ていて面白いんですよね。
インタビュー記事
映画「ガチバン ULTRA MAX」公式サイト
映画「ガチバン ULTRA MAX」予告編
忠臣と西口の憩いの場所「カフェアルル」は実在する
今(2021年)も新宿に実在していました。
ふつうにくつろげるカフェなので、忠臣ファンはぜひ行ってみてください。
Amazonプライム会員なら無料で見られます!